特に膵臓がん・胆道がんは早期発見が困難です。そこで当院では、早期発見を目指し、遺伝子レベルでがん細胞が発見できる「マイクロアレイ血液検査」を導入することといたしました。
「マイクロアレイ血液検査」は、胃がん・大腸がん・膵臓がん・胆道がんの消化器系のがんの早期発見に有効です。
1回の採血で、複数のがんの可能性を評価できる「アミノインデックス」も同時に導入いたします。
※テレビ番組でも紹介されました。
男性は2人に1人、女性は3人に1人が、がんにかかるといわれる日本。
病気や健康に関心は高くても、検診を自発的に受ける人が少ないことが課題となっています。検診でがんを早期発見することは、がんによる死亡率を減少させるだけでなく、治療後のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)を高めるためにも大変重要です。
がんを早期発見するためには、がんを高い感度で検出できる確実な検査が必要となります。
血液を使ったがんの検査方法の1つに腫瘍マーカーがあります。
これはがん細胞がつくり出すタンパク質などを測定することでがんがあるかどうかを診断するというものです。しかし腫瘍マーカー単独でがんを診断することは難しいとされ、現状ではがん診断の補助的な検査や治療後の経過観察の検査として使用されています。
新しい方法として消化器のがんを遺伝子レベルで判定できるマイクロアレイ血液検査があります。
マイクロアレイとはがんなどの異物に対する体の反応を遺伝子レベルで測定できる最新の技術です。血液ががん細胞に反応する状況を世界で初めて遺伝子レベルでとらえることができるようになりました。これを利用し開発されたのが、マイクロアレイ血液検査です。血液中の白血球は、病気の発症や異物の存在から身を守るために免疫という防御システムを持っています。この防御システムは細胞内の特定のリボ核酸の出現や量の変化によって行われています。ですから、このリボ核酸の変化をキャッチすることで、がんの発症を知ることが出来るのです。そして、このリボ核酸量の測定にマイクロアレイと呼ばれるガラス器具が考案されています。この方法でリボ核酸がどのくらいの量あるかなど、その変化を調べることで、がんの発症がわかるのです。
この検査で遺伝病等に関わる遺伝子情報が知られることはありません。
消化器のがんに対して 9割の高い感度を示しています |
胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がん が検査の対象となります |
検査は1回の採血(5cc)のみ |
特殊な薬剤の投薬やX線の被爆もありません |
この検査方法の中心となる新技術は消化器内科の専門医によっておこなわれた臨床試験で明らかにされました。
その研究成果は英文の科学雑誌(Biochemical and Biophysical Research Communications 誌※)に掲載されています。
※Biochem Biophys Res Commun. 2010 Sep 10;400(1):7-15. Epub 2010 Aug 2.
Differential gene expression profiling in blood from patients with digestivesystem cancers.
【著者】Masao Honda , Yoshio Sakai , Taro Yamashita , Tatsuya Yamashita , Akito Sakai , Eishiro Mizukoshi , Yasunari Nakamoto , Isamu Tatsumi , Yoshitaka Miyazaki , Hiroshi Tanno , Shuichi kaneko , Hokuriku Liver Study Group |
この検査結果は健康状態を判断するための一つのデータですので、他の検査結果とあわせて主治医の先生が総合的に診断することになります。
Q 検査で「がんになりやすい体質」がわかるのですか?
A この検査は、すでにがんがあることを判別するためのものです。
がんになりやすい体質を判別するものではありません。
Q 服用している薬で検査に影響が出ますか?
A ステロイド、免疫抑制剤、抗癌剤、生物学的製剤(インターフェロン、各種ワクチン)などの投与を受けている方は、判定に影響する可能性がありますので、お申し出ください。降圧剤、糖尿病治療薬、高脂血症治療薬、消炎鎮痛剤は判定に影響しません。
Q 消化器以外のがんがある場合は反応しますか?
A この検査では主に消化器のがんの有無を判定します。しかし、それ以外にがんがある場合でも陽性反応を示す可能性がありますが、場所を特定することはできません。
Q 以前大腸ポリープがあると言われましたが、検査に影響しますか?
A 以前に大腸内視鏡検査でポリープを切除され、2年以上経過している場合は陰性となるケースもありますので、内視鏡検査をお薦めします。2年未満もしくはポリープの切除を受けておられない場合は、本検査で陽性反応を示す可能性があります。
Q がんの場所などはわかりますか?
A 胃および大腸、膵臓、胆道が判別できます。ただ、すべてに陽性反応が出てしまい、場所を判別できないケースが35%程度あります。
Q 結果が陰性の場合、次の検査はいつ受ければよいですか?
A 大体1年ごとの、定期的な検査をお薦めいたします。
Q 内視鏡検査など他の検査を受けなくても大丈夫ですか?
A 本検査では早期がんの1.5%ほどが陰性になることがあり、内視鏡検査で発見できる場合もありますので、他の検査機器での検診もお薦めします。
Q 検査で陽性と判定された場合はどうすればいいですか?
A 当院あるいは消化器専門医での精蜜検査をお薦めします。
マイクロアレイ血液検査 (胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がん判定) | 99,000円(税込) |
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