当院では糖尿病・甲状腺・肥満診療などの専門医・指導医であり、この分野のオピニオンリーダーである現多摩総合医療センター糖尿病・内分泌代謝科部長 診療科責任医師の辻野元祥先生が毎月第1週と第2週の火曜日に外来診療を行っています。この日は一部予約制となります。診療ご希望の患者様は、当院までお電話または受付で予約をお受けいたします。
糖尿病は、インスリンが十分に働かないために血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。健康な状態の血糖値は、空腹時に70~100mg/dlで、食事をすると血糖値は上がりますが、上限は140mg/dlくらいとされています。これよりも血糖値が高い状態を高血糖といい、高血糖の状態が慢性的に続くと、糖尿病と診断されます。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。初期には症状がほとんどありませんが、血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなります。また3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる病気でもあります。
糖尿病の原因には以下の2つがあります。
インスリン分泌低下:Ⅰ型糖尿病は遺伝的要因などによる自己免疫疾患で、インスリンを産出する膵臓のランゲルハンス島β細胞が破壊され、分泌しなくなることで発症します。
インスリン抵抗性:インスリンは十分な量が作られているけれども、効果を発揮できない状態で運動不足や食べ過ぎが原因で肥満になると、インスリンの働きが十分ではなくなります。この場合も血糖が上昇します。Ⅱ型糖尿病は、運動不足や過食、飲酒、喫煙などの生活習慣が影響し、発症するとみられており、すべての糖尿病に罹っている方の95%が、Ⅱ型糖尿病とされています。
当院では血糖値とHbA1c(ヘモグロビンA1c:血液中で酸素運搬するヘモグロビンに糖分が付着したもので、1ヶ月から2ヶ月の血糖値の平均値がわかります)を院内で分析しているため当日、結果をお伝えしています。糖尿病の治療に関しては、食事療法や運動療法による生活習慣の改善、さらに薬物療法によって、糖尿病による合併症を引き起こさないよう、患者様の状況に合わせ、診療を進めていきます。